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研究者インタビュー

青木啓一郎| 作業療法士としての現場経験と研究をつなぎ、患者さんの社会復帰を支援する

作業療法士という職業をご存知だろうか?
日常で必要となる動作能力や、地域活動への参加や就学・就労といった社会的適応能力を維持・改善し、「その人らしい」生活を支援することを目的に、リハビリテーションを行う専門職だ。身体のリハビリテーションだけでなく、心のリハビリテーションも行う。
今回はそんな患者さんの社会復帰を支援する作業療法士でもあり、未来の作業療法士の育成にもたずさわる青木啓一郎さんに話を聞いた。

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青木 啓一郎


keiichirou aoki

1987年、横浜生まれ、茅ヶ崎育ちの作業療法士であり、現在は昭和大学 保健医療学部リハビリテーション学科の作業療法学専攻の講師を務める。2010年に作業療法士としてキャリアをスタートし、その後、急性期病院での臨床経験を11年間積み重ねた。
2021年には昭和大学大学院保健医療学研究科にて博士(保健医療学)を取得。臨床時代には、急性期脳卒中患者の転帰に関するアウトカム研究を行い、その中で自宅復帰に必要な因子として上肢の運動麻痺による手を使用した日常生活動作の関連を明らかにした。
現在の研究は、急性期における上肢の運動麻痺に対する効果的な治療プログラムの開発に焦点を当て、そのメカニズムを解明するためのリハビリテーション治療の科学的基盤を構築するという重要な課題に取り組んでいる。
二児の父であり、趣味は旅行とテニス。今は子育ても楽しんでいる。

作業療法士とは​​対象者が日常生活をより豊かに過ごせるように支援する仕事

ーーまずは仕事内容について教えてください。

私は作業療法士であり、現在は大学教員として教育と研究に従事しています。
臨床現場にいた頃は、急性期における作業療法のプログラムを立て、患者さんが元の生活に戻れるように支援を行っていました。特に、脳卒中の後遺症を持つ患者さんを多く担当し、リハビリテーションを提供していました。

現在は大学で教育と研究に取り組んでいます。研究では、患者さんの上肢機能を改善するための方法を探求し、より効果的なリハビリプログラムを開発することを目指しています。

ーー支援というと、どのようなことをするのでしょうか。

作業療法士として、患者さんの状態に応じた支援を行います。例えば、脳卒中の後遺症で手が動かない患者さんに対しては、電気刺激療法(手に電気の刺激を与え筋肉の動きを促すこと)や、ミラーセラピー(鏡を使って脳を錯覚させて手が動いているように見せること)などで、脳の機能を活性化させます。

脳卒中の後遺症に応じた介入方法は多岐にわたり、患者さん一人ひとりに最適なアプローチを探ることが重要です。

私自身は、脳卒中の後遺症で悩む患者さんを前にして「何ができるか」を常に模索してきました。これまでの経験を踏まえて、脳卒中による上肢麻痺の基礎的な研究にも興味を持ちました。

現在は、脳波を使った研究に着目しています。これにより、より効果的なリハビリテーション方法を開発し、患者さんの生活の質を向上させることを目指しています。

ーー現場での経験が今の研究に生きているのですね。リハビリテーションのプログラムは患者さんごとに組まれるのですか、それとも段階にあわせて決まった指標などがあるのですか?

患者さんの後遺症の段階に応じて、作業療法士が評価を行い、リハビリプログラムを決定します。特に肢麻痺の場合は、既存の研究結果に基づいた推奨される介入内容を参考にしてプログラムを作成することもあります。

作業療法士はプログラムの実践だけでなく、後遺症の予後予測の判定も行います。以前の研究では、患者さんが入院してきた段階で、退院後の対応を決めるための指標について検討していました。そのため、リハビリ職の立場から、患者さんがすぐに自宅復帰できるかどうかについて医師に伝える役割も担っていました。

また、判定指標は様々あります。

例えば、腕がある一定の高さまでしか上がらない、もしくは完全に動かない、少し動くが生活する上で困っている、など様々な評価項目があり、その介助量(日常生活の自立度)によって判定を行います。

ーー対象となる患者さんの年齢によっても介助量の判定は変わるのですか?

年齢も重要な要素です。

例えば、高齢者の場合、筋肉量が減少しているため、早期に日常生活の改善が難しい場合があります。そのような場合は、回復期病院を経由してリハビリを受け、その後自宅に戻るといった判断をします。一方、若い人であれば、比較的早い段階で自宅復帰が可能な場合が多いです。

作業療法士は、こうした年齢や他の評価項目を総合的に考慮して、患者さんの最適なリハビリプログラムを決定し、医師と連携して今後の対応を決めます。

ーー事例などが重要になってくるかと思いますが、どれくらいの事例をもとに、その方にあった対応を考えられるのですか?

論文やガイドラインでは1,000例単位の大規模研究を参照していますが、私自身の研究では、解析が可能な100例前後のデータをピックアップして病院内の傾向を分析していました。このようにして得られた事例については、論文として発表しています。

現在は、解析した研究結果に基づいて、腕が動かない患者さんが早期退院困難であることが明らかになりました。そのため、腕が動かない患者さんに着目し、どのようにしたら腕を動かせるようになるのか、上肢機能を改善するための研究を進めています。この研究を通じて、より効果的なリハビリプログラムを開発し、患者さんの生活の質を向上させることを目指しています。

脳波を調べることで回復要因を明らかにする

ーーそもそも、腕が動かなくなってしまうのは、脳が上手く機能していないことが原因なのですか?

脳卒中には脳梗塞、出血、くも膜下出血などの様々な分類があるのですが、運動を有する部分が損傷してしまうと手が動かないなどの状態になってしまいます。
ただ、人間の脳には治癒力があるので、損傷してしまったとしても、違う部分に神経を繋いで再建する能力があります。

損傷度によって症状の重症度は変わるので、そういった予後予測を参考にしながら、より右肩上がりで症状が改善されるにはどうしたら良いかを考えて、機能訓練によって脳の損傷部分を再建するための最適な手法を研究しています。

従来は、手を動かすことで脳に刺激を与えていましたが、最近は損傷した脳に直接刺激を与える方法もあります。脳をいかに上手く錯覚させ、発達させられるかということに注目しています。
直接的に手を動かすリハビリと、脳に刺激を与える方法のハイブリッドで実践することで、従来のやり方よりも効果があるのではないかという仮説のもと行っており、その効果を検証するものとして脳波を利用しています。これから本格的に研究を進めていく予定です。

ーー刺激を脳の損傷部分に与えるとのことでしたが、ダイレクトに脳の細胞が増えるように促すことは難しいのでしょうか?

業界としては再生医療がその一端を担うのだとは思いますが、損傷した部分が元通りに治るという段階にはまだ至っていません。

損傷してしまった部分から伸びるパイプにいかに早期からアタックできるかが重要で、時間が経ってからでは回復の効果は弱い傾向にあります。
これまで急性期の患者さんを沢山みてきたことや、辛い思いをしている姿に無力感を感じた経験の中で、現在取り組んでいる研究の発想に至ったという背景があります。

臨床現場では、患者さんから「ここまで良くなったよ」と言っていただけても、自分としては納得できないことも沢山ありました。

ーーそういったご自身の悔しさが研究につながっているのですね。今後は脳波を調べることで、従来よりも回復が早まったり、治りやすくなったりする訓練や判断方法などを目指して研究していくのですね。

医療はどんどん発達しており、重度の後遺症から軽度に改善する患者さんの事例も増えています。これまでに積み上げられた後遺症で悩んだ患者さんの知見があるからこそ、いろんな治療開発が進んでいるんだと思います。

私の研究の場合、まず後遺症を評価するために、上肢麻痺の尺度を指標にした評価表を利用します。これらの評価表をいくつか組み合わせ、なぜそのような状態になっているのかを脳波を使って解析しようと考えています。

これまでは現場にいたため、そのような研究はできませんでしたが、今後は患者さんのデータを参考にしたり、生理学の先生方からアドバイスをいただきながら、回復の要因を明らかにしていきたいと考えています。

社会復帰に向けて、患者さんを多方面から支援する

ーー急性期、回復期、生活期というように段階があるとのことでしたが、どれくらいの期間で自宅に戻れるようになるのでしょうか?

後遺症が少ないと言われる、「軽度」や「ごく軽度」に該当する場合は2週間ほど入院すれば自宅に戻れます。

国の政策で、後遺症と付き合いながらもなるべく早く元の生活に戻るようにと促進する取り組みがあり、自宅にいつ頃戻れるかの判断が重要になります。

一方で「中等度」や「重度」に該当する場合は、リハビリに取り組んでから自宅に戻るのに、2ヶ月〜5ヶ月くらいの幅があります。

また、地域生活期と呼ばれる家での生活に移行後も、後遺症を抱える場合には介護保険領域の通所リハビリテーションや訪問リハビリテーションなどのコミュニティの中で同じ症状を抱える人達と関わりながら社会復帰を目指します。

ーー重度でも半年くらいを目安に自宅に戻れる方もいるのですね。健康だった時の身体にはどの程度戻すことができるのでしょうか?

リハビリを受けたとしても、完全に元の身体に戻るというわけではありません。

人や年齢にもよるのですが、大概は後遺症と共に生活しなければならなくなります。
例えば利き手が動かないのであれば反対の手を使うという切り替えが必要になるので、そういった新しい生活の仕方を回復期のリハビリで学びます。

地域に戻った後は後遺症に固執せず、上手く受け入れながら家族や周りのコミュニティの支援の中で社会参加していく流れです。

ーー周りの支援や理解も必要ということですね。患者さんの身体機能回復のサポートだけでなく、メンタル面のケアなどもされているのですか?

おっしゃる通り、我々の仕事は動かない身体を動かすようにすることだけでなく、精神面・心理面へのフォローも重要です。
リハビリテーションという言葉は社会復帰に相当しますので、身体的な支援だけでなく、精神的な支援も併せて行っていきます。

例えば、脳卒中後うつ状態になってしまうというケースがあります。今まで自由にできていたライフスタイルが突然送れなくなるのは相当なストレスを受けることだと思います。患者さんの中には、高齢の方、家庭があり小さなお子さんを持つ若い方など幅広く、皆さんそれぞれのバックグラウンドがあります。

ショック期から挽回していくまでの段階プロセスを把握したうえで、フェーズごとにどのような対応や支援が必要か考えて対応しています。よく患者さんから「いつ治りますか」と質問されるのですが、気休めに「今頑張れば治る」と伝えてしまうと、次の段階で患者さんを診る人が大変になってしまいます。
急性期後は他の病院に移るので、我々が担っている仕事を次の機関に送ります。その際に、「あの時にあの先生はこう言ってくれた」と齟齬がないようにしなければなりません。

ーー作業療法士としての対応や、考えなければならないことは多岐にわたるんですね。我々が脳卒中にならないよう予防するには、どんなことに気をつけたら良いですか?

リスクの要因として、高血圧、糖尿病、喫煙、運動習慣などが関係しています。遺伝的な要素ももちろんありますが、患者さんとお話するとそういった経歴がある方が多いです。

これまで病気になった後に後悔する患者さんを沢山見てきました。生活習慣や働き方を意識・見直しをし予防の観点を持ちながら生活することが大切です。

特に働き方に関してはストレスを溜めないことが重要です。
患者さんに発症前の生活について聞くと、ずっと残業が続いて睡眠時間を確保できなかったという方が多いです。常にアドレナリンが出ている状態なので血圧も上がっている状態と言えます。
きちんと寝て、3食食べるという規則正しい生活が重要です。

ーーいつ自分が脳卒中になるか分からないのが怖いところですね。

今の医療では完全回復は難しく、後遺症が残ってしまうケースがほとんどです。

一番大切なのは予防なのですが、脳卒中などになってしまった人が社会復帰しやすくなるために研究を進められたらと考えています。

作業療法士の認知拡大に貢献したい

ーー作業療法士になろうと思ったのは何かきっかけがあったのですか?

中学生の時に野球をやっていたのですが、肘を怪我してしまい、整形外科の病院でリハビリテーションを受けました。その時に作業療法士という職業を知りました。

高校生の時に将来何をしたいか考えて思いついたのが作業療法士でした。
人を助けたいという想いもあり、自分に向いていると思ったので今在籍している昭和大学を受験しました。肘を怪我するというきっかけがなかったら作業療法士という職業を知ることはなかったと思います。資格は大学や養成校でとることができ、私は今働いている母校を卒業しました。

ーー資格をとられたあと、研究ではなく臨床を選択されたのはなぜですか?

8割〜9割の人は、国家資格を活かして臨床に出ます。

この仕事は患者さんを支援することに意味があるので、最初から研究に取り組む人は1割くらいだと思います。私もまずは患者さんを直接的に支援したいという思いがありました。

ーーなりたかった職業に実際に就けた時は何を感じましたか?

たくさんの患者さんと関わることができる楽しみを想像してました。
一方で、作業療法士になった時に感じたのはこの職業を知らない人がとても多いということです。
素晴らしい職業だからこそもっと世に伝えていきたいという想いがずっとあります。

医療職として一般的に想像するのは、普段から生活の中で関わっている医師や看護師、薬剤師や歯科医師などだと思います。
理学療法士や作業療法士は怪我をしなければ普段の日常で関わることはないですし、特に若い方は怪我をしたとしてもリハビリを受けなくて済むことも多いので、知る機会がなく縁がないのだと思います。

テレビドラマで医者や看護師が扱われていてすごくカッコいいなと思っているので、リハビリに関するドラマもやってほしいなと思います(笑)
かつて『オレンジデイズ』というドラマが放送されていた時は一瞬認知度が上がったので、効果はあるのだろうなと考えています。

やりがいや、大変なこと

ーー作業療法士で良かったと思うことや、やりがいを感じるのはどんな時ですか?

患者さんからの「ありがとう」という言葉をいただけた時が、やっていて一番良かったなと感じます。忙しい現場の中で、一日十数人の患者さんを担当します。その中で患者さんから「ありがとう」や「良かったよ」と言っていただけると作業療法士としてのハートが燃えます。

身体機能だけでなく、メンタルが回復した患者さんの例もたくさん見てきているので、きれいごと抜きで患者さんからの言葉に支えられています。

ーー反対に、難しさや大変さを感じるのはどんな時ですか?

作業療法士になりたての時は、たくさんの人を救えると思っていました。

ですが、機能を完全に回復させて元の身体に治すということは、多くの場合できません。本人が満足しながらいかに障害と付き合っていくか、また生活の中で生きる価値を見いだせるかをサポートするのが作業療法士としての大きな役割だと今は感じるようになりました。

若手の頃はやるせない気持ちになることが多く、患者さんが良くならないのは自分のせいだ、と思うことが多々ありました。ですが、過去の研究を調べているうちに、自分だから治せないということは考えなくなりました。
病態が悪い状態であるなら、我々が全力を尽くしてアプローチしても限界があることを学びました。それが若手の時にはわからなかったので、苦悩を抱えて躍起になっていた時代がありました。

今は患者さんによって回復スピードに違いがあることや限界があることも理解しているので、そこから元の生活に戻った時に障害を受け入れながら暮らしていく支援をしていくことが大事だと思っています。

教育を通して救える患者さんを増やしたい

ーー臨床から教育へと、気持ちが変わったのは何か理由があるのですか?

十数年現場で働く中で、実習生と関わることが増えました。
大学の附属病院で働いていたので母校の学生に対して教育する機会がありました。卒後教育のために現場で実技を教えることが増えたことで、もともと持っていた教育に携わりたいという想いが強くなりました。

私が1日に関わることができる患者さんはせいぜい10人程ですが、私が学生に教えれば、教えた子達が患者さんをサポートできるようになるため、結果的に救える人を増やせると思いました。そこから本格的に教育の道も考えるようになり、今は教育と研究を両立しています。作業療法士のたまごである学生に教えたり、時々臨床現場に出ながら研究も並行しています。

縁があって学生時代からお世話になっていた母校の先生に声をかけていただき、一緒に授業を作るなどして仕事をさせてもらっています。それもすごく面白く、やりがいを感じています。

ーーどんなところに面白さを感じるのですか?

自分が教わっていた恩師たちと一緒に仕事をする機会があり、昔の話で盛り上がることもあります。また、学生に対して「青木くんを見習って頑張るんだよ」と言われるような立ち位置で働いていることも面白さの一つです(笑)。

学生から見ると、私は教員というよりも、少し上の先輩のような存在のようで、よく声をかけてもらえます。このように、学生たちとの距離感が近く、親しみやすい関係を築けることも楽しさの一部です。

ーー学生と接していて日々どんなことを感じますか?

率直にみんな可愛いなと思っています。後輩という年齢ではないのですが、昔の自分と重なるところがあります。

今はプロ意識が強いので学生になんでも伝えたくなってしまうのですが、学生はまだプロではありません。初々しさを感じながら自分の過去を思い出しつつ関わっていて、とても楽しいです。
ですが同時に、プロになった後輩達に研修で指導するより、それぞれの想いややる気が異なる学生に教えることのほうが難しいと感じています。

最近は重要なことを全て伝えても学生は吸収しきれないということがわかってきたので、私を見たらあのフレーズ、となるように授業の始めか締めに必ず言う言葉を考えていたりします(笑)

ーー青木先生自身はどんな学生だったのですか?

陽気な学生だったと思います(笑)。
人とコミュニケーションをとりながら支援するようなことがしたいと思っていたので、福祉にはずっと興味がありました。

祖父母の体調が優れない時にサポートしたりなど、困っている人がいたら手を差し伸べたいという気持ちは昔からあったと思います。

また逆にリハビリを自分が受けた経験があったので、高校生くらいから作業療法士に興味を持ちました。同じ志の仲間と出会えて幸せですし、この職業につけて本当によかったと思っています。

ーー実際に作業療法士を目指す学びの過程で、挫折や苦しかった経験などはありますか?

私は目標が明確になっていれば頑張れるタイプです。高校生の時から、何のために大学に行くのかという目的が決まっていたので、その目標に向かって努力できました。

しかし、大学で学び始めると、その勉強量の多さに驚きました。1年間の中で休みが一ヶ月半くらいしかないのは、この学問領域ならではの大変さです。

特に苦しかったのは、2年生の時の実習でした。初めて現場に出て、患者さんと直接関わる経験をしたことで、自分の知識や技術の不足を痛感しました。しかし、この経験が私のやる気を大きく高めました。現場での実習を通じて、患者さんと関わる中で、作業療法士としての目標がより明確になり、頑張る力を得ることができました。

ーー患者さんと実際に会って、この人達のために!という明確な目標ができるとスイッチが入って頑張れるタイプなのですね。

そうですね。登る山が決まっていないとだめなタイプだと思います。
今も同じ気持ちで、目の前の患者さんに自分は何ができるかを日々考えています。

現場で活躍している作業療法士の中には、辛いという気持ちを抱えながら日々働いている人もいると思うので、そういった人達のロールモデルにいつかなれたらなと思っています。

作業療法士に必要なもの

ーー最後にどんな人が作業療法士に向いていると思いますか?

人とコミュニケーションをとるのが好きな人だと思います。
人と話したいという想いがあれば、誰でもできる仕事だと思っています。

とはいえ、私も最初から今のように話せていたわけではありません。ただ、技能はいくらでも後からついてくると考えています。人と接するのが苦手という方でも、この仕事をすると変わると思います。

なので、もちろん始めから人と関わる・話すのが好きという方も向いていると思いますが、人との関わりを持ちたいけど自信がない、ボキャブラリーがない、という方でも、この職業に就けば対人関係力や話すスキルが上がると思います。

ーー長期間、間近で患者さんと接しながら支援をするためには、コミュニケーションが大切なのですね。今後、研究と現場の両面での青木先生のご活躍が楽しみです!今回はありがとうございました。

主要論文

・Aoki K, Iguchi A, Saito J, Komaba K, Kabe K, Watabe T.Predictors of home discharge after mechanical thrombectomy in patients with acute ischemic stroke: Usefulness of National Institutes of Health Stroke Scale sub-items assessed 24 h postoperatively 
Interdisciplinary Neurosurgery 2021 Dem;26:101341 doi: 10.1016/j.inat.2021.101341

・Aoki K, Suzuki H, Miyata T, Ogino T, Iguchi A.Predictors of discharge outcomes following percutaneous mechanical thrombectomy in patients with acute ischemic stroke: Comparisons between the home discharge group and hospital transfer group 
The Showa University Journal of Medical Sciences 2021 Mar;33(1):9-14 doi:10.15369/sujms.33.9

・Aoki K, Iguchi A, Watabe T.Evaluation of Functional Independence Measure item scores for predicting home discharge after acute stroke rehabilitation. 
Japanese Journal of Comprehensive Rehabilitation Science 2020 Feb;11:17-20 doi:10.11336/jjcrs.11.17

書籍:

青木, 啓一郎 (担当:編者(編著者))
明日から実践できる!!脳卒中の評価と治療 
金芳堂 2022年10月 (ISBN: 9784765319225)
URL:https://www.kinpodo-pub.co.jp/book/1922-5/
研究者情報(research map):https://researchmap.jp/Aoki.K/

※本記事はインタビューをもとに作成した記事であり、専門的な表現と異なる部分がある可能性があります。お気づきの点は問い合わせフォームよりご連絡ください。

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